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第8回
「埋葬の歌」〜混声合唱、管楽とティンパニのための 作品13
(Begräbnisgesang Op.13)
■今回のこの曲。ブラームスの楽曲中最もくらーい曲に属するもの。「埋葬の歌」。それはその名のとおり、「埋葬の時に墓前で演奏するもの(ブラームス談)」。もう、これ以上暗い曲はないだろっ、てなほど暗い。「ドイツ・レクイエム」の比じゃないな。■この曲は独特の響きがある。それは何によってかもし出されているのかというと、すべては管楽器によるものである。ブラームスはユニークな編成の楽曲をいくつか書いているが、その中でもこれは非常にめずらしい管楽器のみ(ティンパニは入るけど)の編成となっている。その内訳は、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、トロンボーン、テューバ、ティンパニ。出だし部分は、前奏なく男声合唱で始まる。「あれ、ここはア・カペラかな?」と思ってしまうほど、男声合唱とファゴットが信じられないくらい調和している。それだけでもかなりの鳥肌ものだけど、「さあこの肉体を埋葬しよう、」と歌われる部分は、これから行われる埋葬式を彷彿とさせる。なぜなら、非常に低音で歌われており、ここではソプラノは一切参加していない。■そして低音だけだった音楽に少しずつすこーしずつ高音が加わり、「この御方の魂は神の中で永遠に生きる」と、まるで感情を爆発させるかのような力強さで歌われる。まさに最後はこれにつきる!と言わんばかりに。「神のラッパが鳴り響けば」と歌われると、ちゃんとトランペットが演奏されるところに「やるな、ハンス・・・」と、ニヤリ☆としてみたり。もちろんそれだけでは終わらない。■悲しみ、悟りの感情を爆発させたけど、少し落ち着きを戻し「このお方の労苦、艱難、悲惨は平穏なうちに終わりをとげた」と先ほどの爆発とは打って変わって、とても落ち着いた雰囲気で歌われる。ここは本当に慰めの音楽である。ここのクラリネットの音色が泣かせるんだ、これが。■そして場所は埋葬の場へと戻される。「さあ、このお方をここに眠らせよう、そしてこぞって我らの道を行こう、熱意を込めてさあ始めよう、死は同じように我らにもやってくるのだから」、そう歌われ、棺が埋められ埋葬式は終わりを告げる。■なんて暗い曲なんだ! でもこの暗さがたまらない。キレイな曲というより、詩に密接した音楽作りに感嘆。ブラームスの歌ものの素晴らしさはそこにあり。音楽を知り詩を知ると、ますますその世界へと入り込んでしまうこと間違いなし。おかげで暗い毎日を過ごしています・・・・・・ってそれはウソ。

*楽曲情報*
作曲:1858年11月 デトモルト
初演:1859年12月 ハンブルク
演奏:ブラームス指揮、ハンブルク女声合唱団他
出版:1860年8月 リーター=ビーダーマン社
編成:合唱(SATB)、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2、トロンボーン3、テューバ、ティンパニ
調性:ハ短調

BRAHMS:RINALDO/GESANG DER PARZEN... BRAHMS:RINALDO/GESANG DER PARZEN...

このCDには、ブラームスの曲でめったに演奏されない合唱曲が入っている(Rinaldo, Ellens Gesang II, Gesang der Parzen,Begraebnisgesang)。今回取り上げた「埋葬の歌」は、録音も少なく、めったにお目にかかれる曲ではない(ようだ)。